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妄想の断片を中心に、カイナの日常も少し。 現在のジャンルは復活(XS、8059、プリーモ・セコンド時代妄想など)です。
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近所のコンビニがWJをレジ前に配置換えしたので、立ち読みできませんでしたorz
明日大学の近くで探そ。


5年後くらい?寝落ちのスクアーロを見つめるボス。とりとめがないのはボスが眠いからだと主張する。   〈モノクロ写真〉 「恋愛のお題」

自分の傍らに寄り添うひんやりとした身体を、ふと見つめる。
スクアーロはシーツに銀の髪を散らばらせて、ぐっすりと眠りこんでいる。
音のない月夜、閉じ忘れたカーテンの間から差し込む皓々とした光に、色素の薄い男は透き通るようだった。

意識のある間中、騒がしい声で振るう剣と血飛沫で感情を移す瞳で自分の存在を煩わしいほど訴えてくるスクアーロは、眠ってしまうと一片の雪の結晶のように透き通るように静かで、ただ美しい。今夜のように激しい情交に気を失った後などは、身じろぎもしないので、まるで月影の幻のようなのだった。

白い頬にかかった髪を指先で退けてやって、まだわずかに赤みの残る目元をそっと撫でる。
目を閉じれば出会った頃よりも顔立ちが鋭利になったことがよく分かるけれども、思いがけず長い睫毛が落とす繊細な影は、あの頃と同じだった。

自分もこれも、ずいぶん変わった。
スクアーロは、強さのみを信じる傲慢な稚魚から、あの8年でままならぬ現実を泳ぐ術を身につけた。
自分も、丸くなったものだと思う。

今日は日中、沢田綱吉からの指名で本部で行われたパーティに出席していた。あれの顔を見ても苛立たなくなったのは、ほんの数年のことだ。
ヴァリアーが独立を失いながらも通常業務に戻り、日常、と呼ぶべき生活を送る中で、少しずつ自分は変わった。2度の敗北の後に自分の手の中に残ったものを見て、悪くはない、と思うようになった。
ずっと傍に居続けたこの男が、そのひんやりとした指先で、8年の眠りの間に膿んだ傷の熱をそっと冷やした。

今でも時折、ボンゴレのボスの座を手に入れ損ねたのを惜しいと思うことがある。
しかしそれは以前のような身を焼く灼熱の怒りからではなく、ただ、この美しく強靭な銀色を右腕として表舞台に連れて行ったらさぞ快いだろうという、自分だけの宝物を誰かに見せびらかしたいというだけのことだった。

頬をそっと手のひらで包んで、そのままゆっくりと首筋を撫でる。体温の低いスクアーロも、そこはさすがに温かい。指先に、トクリトクリと穏やかな拍を感じ取る。
この温もりに満たされる思いを、何と呼ぶのだろうか。
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